アスペルガー症候群（ASD）への指示の仕方ははっきりと
アスペルガー症候群(ASD)の人に仕事や頼みごとを指示するなら、抽象的な言葉で伝えるのではなく的確な言葉で伝えなければ伝わらない事が多いのです。
よく言われる「あれを片付けておいて」や「それを終わらせて」と言うような「あれ」「それ」と言った何を指すかが明確ではない言葉は理解出来ず、何をすれば良いか分かりません。
もし自閉症スペクトラムの人に何かを指示しようと思うなら「○○の書類を片付けて」と伝えれば悩む事はありません。
しかし実はこれだけでは若干不足事態に陥る事も。言われた事を真面目にしようとする発達障害の人たち。彼らは言われた事（片付ける）が終わるまで何時間でも続けてしまう事があるのです。
発達障害の人が理解しやすい指示の仕方
「○○の書類を片付けて」と言えばどの書類を片付ければよいかは理解出来ます。
そして与えられた指示はその書類を片付ける事なのですから、障害のある人の今しなければならない仕事は「その書類を片付ける事」だけ。
どれだけ時間がかかっても、それを片付ける事しか頭になく次の仕事や他の用事を忘れてしまう場合があるのです。
そのため、目安となる時間までを伝える方がよりスムーズにはかどりやすいと言えます。
「○○の書類を○時までに片付けて」であれば、その書類を○時までに片付けようと必死になるので指示の仕方は正解。
指示を出した方も出された方にも滞りなく進んでいくはず
・・・と、このように指示の仕方一つで大きく変わってしまうのですが、これは言われた事を言葉通りにしようとするから。
逆に言えば、言われなかった事には気付かないのです。
自分で考える事は出来るのですが、相手に言われた事は忠実に守ろうとする発達障害の人達。私も同じですが、言われた事以上でも以下でもなく、言われた通りにしか出来ないのです。
幾つもの指示を与えるなら順序だててメモにする
あれもこれもと指示されるときっと何から手を付けてよいかが分からずパニックになってしまうはず。
そうならないよう、順序立てたメモを渡してくれるととてもやりやすいんです。
９時
「○○の書類を片付ける」※片付かなくても１１時になれば△△の資料を整理する
１１時
「△△の資料を整理する」※１２時になれば昼食を取り、残りは１３時から始める
このようなメモがあれば障害があってもかなりスムーズに仕事をこなす事が出来ます。
普通は分かる事でもasdには伝わらない
定型発達の人からすれば「そこらへんは分かるでしょ？」と思うような些細な部分が理解出来ないのですが、発達障害は努力で治るものではありません。
お互いが気をつけあいながら配慮しあう事で、お互いにとって円滑に運んでいくのです。
当然片方だけの努力では無理ですが、双方が努力をしようとすれば大きな問題になる事はあまりありません。
仕事が出来ないのではなく理解が出来ていない
仕事が出来ないのではなく「仕事以外の部分が理解出来ない」事の方が多く、結果的に仕事が出来ない人に見えてしまう事も多いのですが、理解をして仕事をし始めるとかなりの能力を発揮する場合も少なくはありません。
意思の疎通は難しいかもしれませんが、決して甘えた気持ちや舐めた考えがあるのではなく、単に理解出来ない事が多いだけ。心では皆と同じように頑張りたいと思っている人も少なくないのでしょう。
アスペルガー症候群は指示さえハッキリと出してくれると良い仕事をしてくれます。なのでもしあなたが指示する立場であれば、子供でも理解出来るような指示をしてみて下さい。きっとあなたが求めていた動きをしてくれるはずです。
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